孤独な「ひとり広報」へ、最初の一歩を
「何をすればいいのか分からない」「相談できる人がいない」–。
企業の中で“ひとり広報”として奮闘する担当者から、こんな声をよく聞きます。
広報の役割は多岐にわたります。プレスリリースの作成、SNS運用、取材対応、社内報の編集……。
けれど、すべてを一人でこなすのは現実的ではありません。
しかし安心してください。
広報の成果は「センス」ではなく、正しい順番で行動する力で決まります。
たとえリソースが限られていても、3つのステップを踏めば、広報活動は確実に形になっていきます。
この記事では、ひとり広報が“今日からできる”基礎と効率化のポイントを、3段階で解説します。
読後には、「これなら私にもできる」と感じられるはずです。

ステップ1:目的と「やらないこと」を決める
● 広報の目的は「露出」ではなく「行動」
広報を始めたばかりの人がまず陥りやすいのが、「メディア掲載=ゴール」という思い込みです。
もちろん、掲載は嬉しい成果ですが、本当の目的は“社外の行動を促すこと”にあります。
たとえば「自社の認知度を上げたい」と考えるなら、
まずは「どんな人に」「どんな行動を起こしてほしいか」を具体化しましょう。
例:
- KGI(最終目標)→ 資料請求・問い合わせ件数を増やす
- KPI(行動指標)→ 月に3本の情報発信(リリース・SNS投稿など)を行う
つまり、報道獲得より“発信量”を増やすことが第一歩です。
アウトプットを重ねるうちに、メディアや社内からの反応も自然と広がります。
● 「やらないこと」を決める勇気を持つ
ひとり広報の時間は有限です。だからこそ、やるべきことよりも「やらないこと」を明確にする方が重要です。
すべてを完璧にこなそうとすれば、疲弊するだけで続きません。
まずは業務を次の3段階に仕分けしてみましょう。
| 優先度 | 内容 | 判断軸 |
|---|---|---|
| 高 | プレスリリースの作成・配信 | 経営方針と直結しているか |
| 中 | SNS発信・社内報 | ブランド理解に寄与するか |
| 低 | バナー作成・デザイン調整 | 外注・自動化できるか |
優先度が低い業務は、外部ツールやフリー素材を活用して手放しましょう。
「削る勇気」こそ、ひとり広報が長く走り続けるための秘訣です。
ステップ2:社内に眠る“ニュースの種”を発掘する

● ニュースは「社外」ではなく「社内」にある
「ネタがない」「ニュース性が薄い」–。
ひとり広報がつまずくのは、たいてい“ネタ探し”の段階です。
しかし実際は、話題はすでにあなたの会社の中にあります。
たとえば:
- 人に焦点を当てる:社員の想いや働き方、新入社員の挑戦
- 現場に焦点を当てる:開発秘話、地域との連携プロジェクト
- 数字に焦点を当てる:アンケート結果や社内統計
つまり、ニュースとは「特別な出来事」ではなく、“想い”がある日常なのです。
● 社員ヒアリングで“発信素材”を集める
もっとも簡単で効果的なのが、「15分インタビュー」です。
週に1回、社内の誰かにこう聞いてみてください。
- 最近うれしかった仕事は?
- お客様に喜ばれたエピソードは?
- チームで工夫していることは?
これだけで、記事・SNS投稿・社内報——すべての“素材”が揃います。
取材のたびに「ありがとう、話してすっきりした!」と社内の関係も良くなり、一石二鳥です。
● 「独自調査」で自らニュースを生み出す
社内の話題が少ない時期は、自分たちで“ネタをつくる”のも手です。
たとえば、社員アンケートや顧客アンケートを実施して、
「〇〇業界の課題ランキング」や「社員が選ぶ働きがいTOP3」などを発信します。
数字の裏に“想い”を添えれば、メディアも取り上げやすくなります。
広報とは、情報を編集して社会の関心軸に接続する仕事なのです。
ステップ3:無理なく続ける「仕組み化」
● 外部ツールで「人手不足」を解消する
広報が続かない理由の多くは、「忙しすぎて時間がない」こと。
けれども、今は効率化ツールの力を借りる時代です。
おすすめは以下の3つ。
| 目的 | ツール例 | メリット |
|---|---|---|
| 配信 | PR TIMES | リリース配信&効果測定が簡単 |
| 管理 | Google Drive / Notion | 共有・進捗管理がしやすい |
| コミュニケーション | Slack / Chatwork | 社内ヒアリングを効率化 |
手作業をツールに任せることで、「考える時間」を確保できます。
広報担当者の価値は、手を動かすより“考える力”にあるからです。

● 情報を「チームの資産」にする
ひとり広報でも、会社全体の力を借りる仕組みを作りましょう。
たとえば、メディアリストや取材対応マニュアルを
社内で共有できるフォルダに置いておくだけで、突然の取材にも対応しやすくなります。
また、プレスリリースのテンプレートやチェックリストを整備しておけば、
社内の他部署からも「広報目線」で原稿をもらえるようになります。
これにより、“広報=あなた一人”ではなく、“会社全体の機能”へと進化します。
● コミュニティで孤独を手放す
もうひとつのコツは、「ひとりで抱え込まない」ことです。
全国には、同じように悩みながら頑張っている広報担当者がたくさんいます。
X(旧Twitter)やLinkedIn、noteなどで「#ひとり広報」と検索すれば、共感の輪が広がるはず。
また、オンライン勉強会や広報コミュニティに参加することで、
“相談できる仲間”ができます。そこから最新のトレンドや成功事例を吸収し、
自分だけの型をアップデートしていくことが、長期的な成長につながります。
まとめ:「完璧」より「行動量」が未来を変える
広報の仕事は、「伝える」ことではなく、「動かす」こと。
そのためには、まず行動量を増やし、経験を積むことが何より大切です。
最初は誰もが迷います。
けれど、発信を重ねるうちに、“社内外の声”があなたの方向性を教えてくれます。
広報は失敗してこそ上達する仕事です。だからこそ、“完璧より一歩”を選ぶ勇気を持ちましょう。
次のステップ:小さな成功を積み重ねよう
この記事を読み終えたら、まずは「1ヶ月に1本の発信」を目標にしてください。
たとえSNSの投稿1本でも構いません。
継続するほどに、自社のストーリーは形を持ち、社内にも外にも良い循環が生まれます。
MONWORLDの紹介
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