伝える前に「 聞く 」ことから始めよう
「 広報は伝える仕事 」というイメージがありますが、実はその前段階にある「 聞く力 」こそが、すべての発信の土台になります。なぜなら、正しく聞き、深く理解できてはじめて、相手に響く言葉やストーリーが生まれるからです。
特にインタビューや社内取材、記者との関係づくりなど、広報の現場では“聞ける人”こそが強い。この記事では、そんな「 聞く力 」を高めるためにおすすめの書籍を3冊厳選して紹介します。
1冊目:『聞く力 心をひらく35のヒント』阿川佐和子(文春新書)
広報初心者からベテランまで、まず手に取ってほしい1冊がこちら。ベストセラーでもあるこの本は、インタビュアー歴40年以上の阿川佐和子さんが、自身の経験をもとに「 どうやって心を開かせるか 」をやさしく、具体的に綴った実用書です。
特に印象的なのは、「 沈黙も会話のうち 」「 相手の表情の変化を見逃さない 」といった視点です。広報のインタビューでは、相手に気を遣いすぎて質問が浅くなったり、無難な話に終始してしまうことがあります。しかし本書を読むと、あえて踏み込む勇気や、“間”の大切さに気づかされます。
また、硬すぎない語り口で構成されており、まるで阿川さん本人と会話しているかのような心地よさも魅力。聞く姿勢の“在り方”を学びたいすべての広報担当者におすすめです。
2冊目:『LISTEN–知性豊かで創造力がある人になれる』ケイト・マーフィ(日経BP)
「 聞くことは、あなた自身を知ること 」–そんな深いメッセージを持つ、アメリカの人気ジャーナリストによる書籍です。心理学や脳科学、そしてインタビュー実践の知見が融合した内容は、ただの“スキル本”ではなく、聞く力=思考力・創造力に直結する力であることを再認識させてくれます。
広報の現場では、「 表面的な答え 」だけでなく、 「その背景にある本音や価値観 」を掘り下げる力が求められます。そうした力を養うには、質問力やリアクションも重要ですが、それ以上に大切なのが“聞く意欲”と“沈黙を待つ余裕”なのだと本書は教えてくれます。
また、SNS時代に失われつつある「 深く聞く 」という行為の価値についても触れており、対話の質を見直すきっかけにもなる一冊です。グローバルな視点も交えながら、聞くことの本質に迫る良書です。
3冊目:『聞く習慣』いしかわゆき(クロスメディア・パブリッシング)
「聞くこと」がこんなにもやさしく、日常の中で積み重ねられる行為だったのか–と気づかせてくれるのが、この『聞く習慣』です。著者はライターとして多くの取材をこなす中で、「 人の話をじっくりと聞くこと 」の価値に気づき、それを誰でも実践できる形でまとめています。
本書の特徴は、“技術”ではなく“習慣”としての聞く力にフォーカスしている点です。広報担当者が「 聞く 」と聞いてイメージするのは、インタビューやヒアリングの“スキル”かもしれませんが、この本ではもっとやわらかく、「 相手の言葉を最後まで聞く 」「 話を奪わない 」「 結論を急がない 」といった、聞くための“態度”や“構え方”を丁寧に教えてくれます。
特に印象的なのは、
- 相手に“聞かれている”という実感を持ってもらうこと
- 相づちの入れ方一つで、会話の温度が変わること
- 「 わかる 」より「 わかろうとする姿勢 」の大切さ
といった、広報に限らず、すべての対話に通じる根本的な姿勢が語られている点です。
広報という仕事を“技術”だけでなく“人と向き合う営み”として捉えたい方には、まさにぴったりの一冊。文章もやさしく、日常の中で実践しやすいことばかりなので、広報初心者にもとてもおすすめです。
まとめ:聞く力は「 伝える力 」の土台になる
広報として成長したいなら、「 うまく話す 」より「 深く聞く 」ことが先です。人の話を丁寧に聞き、言葉の背景や感情を読み取ることができれば、どんな文章にも企画にも“深み”が出ます。
今回ご紹介した3冊は、そんな「 聞く力 」の本質と実践を学べる良書ばかりです。日々の取材や社内コミュニケーションの質を高めたい広報担当者にとって、必読のラインナップ。ぜひ気になる1冊から手に取ってみてください。
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