なぜ採用広報は“ひとりでできない”のか
採用市場が年々激化する中で、企業の魅力を発信する「採用広報」の重要性はますます高まっています。しかし、よくあるのが「広報担当がひとりで抱え込み、発信が空回りする」パターン。というのも、採用広報は会社全体の「リアルな姿」を届けるものであり、特定の担当者だけでは“本物の情報”にアクセスしきれないからです。
加えて、採用候補者が求める情報は多様化しており、経営者の想いや現場の雰囲気、成長機会まで幅広い視点を必要とします。したがって、採用広報はチームで取り組む「社内総力戦」。本稿では、連携すべき社内部署とそれぞれの役割、そして巻き込み方の工夫について解説します。
採用広報が巻き込むべき社内部署
採用広報は「コンテンツづくり」と「発信設計」を軸に進みます。そのためには、各部署の視点や素材を掛け合わせることが不可欠です。
経営層
- 役割:ビジョンや企業の未来像を語る
- 重要性:候補者が「長期的に働く場所」として判断する際の信頼材料に
- 補足:経営者インタビューやトップメッセージ動画は効果大
人事部門
- 役割:採用計画や候補者との接点の情報提供
- 重要性:ターゲット人材のペルソナ設定や応募者の動向に基づく改善提案
- 補足:KPI設定、応募数や定着率のデータ連携
現場社員
- 役割:リアルな働き方や雰囲気を伝える
- 重要性:「入社後のイメージ」を左右する一番の決め手
- 補足:社員インタビュー、業務紹介動画、1日のスケジュール投稿など
広報部門
- 役割:ブランドトーンの統一やメディア連携
- 重要性:企業全体のイメージと整合性をとる
- 補足:企業メディア、SNS活用、プレスリリース支援
デザイナー/クリエイター
- 役割:採用LP・SNS投稿ビジュアル・動画制作
- 重要性:「見た目の印象」が応募意欲に直結
- 補足:社内or外注でも、トンマナ統一は必須
開発・営業・カスタマーサクセスなど
- 役割:具体的な仕事内容やスキルアップの流れを共有
- 重要性:「自分に合うかどうか」を判断する材料
- 補足:現場座談会・1on1インタビューなどで素材を収集

部署別・具体的な協力ポイント
部署の巻き込みには、“何をしてほしいか”が明確であることが大切です。以下に協力の例を整理します。
部署 | 提供できる素材/支援内容 |
---|---|
経営層 | 経営理念・動画・コラム |
人事 | ペルソナ設定・採用KPI・スカウト文言 |
現場社員 | インタビュー・業務紹介・写真協力 |
広報 | SNS投稿フォーマット・画像選定 |
デザイナー | 採用LP構成・撮影ディレクション |
営業/開発 | 社員の1日紹介・キャリアパス・課題共有 |

巻き込み方の工夫(温度差の壁を越える)
とはいえ、「忙しい現場を巻き込むのは難しい」という声もあるでしょう。そこで大切なのが、“巻き込み方”の設計です。
工夫①:社内説明会で意義を共有
「なぜ今、採用広報が重要なのか」を全社に伝えることで、協力姿勢を醸成します。
工夫②:発信成果を可視化して共有
例えば「インタビュー記事経由で応募◯件」「動画が1万再生」など、数値で見えるようにすることが信頼に。
工夫③:巻き込みやすい型を用意する
「質問テンプレ」「撮影ガイド」など、参加するハードルを下げる工夫も効果的です。
全社でつくる「採用の顔」
採用広報は単なる“広報活動”ではなく、企業の未来を共につくる「仲間集め」の戦略です。そのためには一人の担当者だけでなく、全社的な協力が不可欠です。
各部署との連携を通じて、リアルで信頼性のある採用コンテンツを構築することで、理想の人材との出会いが生まれます。「巻き込む力」が、企業の採用広報を本物に変えるのです。
MONWORLDのご紹介
MONWORLDは、「想いを届ける広報・プロモーション」をコンセプトに、採用広報・ブランディング・地域活性など幅広い領域で企業の広報支援を行っています。
社内外を巻き込む仕組みづくりから、インタビュー記事、SNS設計、採用動画制作、デザインまでワンストップでお手伝い可能です。
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