“伝える”から”伝わる”へ
広報に携わって一定期間が経つと、単に情報を発信するだけでは成果につながらないことを実感するようになります。特に中級レベルの広報担当者に求められるのは、「伝える力」から「伝わる力」へのステップアップです。読者やメディアに届く内容とは何か、自社の価値を的確に伝えるにはどんな工夫が必要か——今回は、読まれる広報になるための“伝え方”の設計術について解説します。
1. コンテンツは”誰に””何を”伝えるかがすべて
広報が発信する情報には常に「対象」と「目的」が存在します。届けたい相手が明確でなければ、情報は拡散されず埋もれてしまいます。
ペルソナの設定
まずは情報の受け手を具体化することから始めましょう。たとえば、「30代・地方在住・子育て中の母親」といった詳細なペルソナを設計することで、文章のトーンや構成も自然と絞り込まれていきます。
ニーズに寄り添う構成
受け手が「この情報は自分に関係ある」と思える切り口を探ることが大切です。商品やサービスの機能だけでなく、「どう役立つか」「なぜいま必要か」といった共感軸を重視しましょう。

2. ストーリーで引き込むコンテンツ設計
単なる事実や機能の列挙では人の心は動きません。そこで活用したいのが「ストーリーテリング」です。
ストーリー構成の基本
- 主人公(自社・顧客・社員など)
- 課題(社会的背景や現状の問題)
- 解決策(サービスや取り組み)
- 未来(どんな変化や価値があるか)
この構成を押さえることで、読み手は感情移入しやすくなり、情報の記憶定着率も向上します。
具体例の活用
「お客様の声」「社内の裏側」「地域とのつながり」など、実体験を含むエピソードを交えると、信頼性が高まり、読後の印象が強くなります。
3. 読まれる広報資料・リリースの改善ポイント
広報活動で成果を出すには、資料やリリースのブラッシュアップも欠かせません。
タイトルとリード文
- タイトル:数字・ベネフィット・トレンドワードを活用(例:「3カ月で◯◯達成」「Z世代が注目する〇〇」など)
- リード文:一文で結論を伝える(誰に/何が/どう変わる)
本文構成
- 結論ファーストで流れをつかみやすく
- 箇条書きでポイントを整理
- 図やイラストを活用し、視認性を高める
NG例と改善例
- NG:「当社は〜」「この商品は〜」と主語が自分本位
- 改善:「あなたに役立つ理由」「こんな課題に応えます」と読者視点へ
4. 反響を分析し、改善につなげる広報活動
広報活動は発信して終わりではありません。読まれたか、伝わったかを測定し、次の施策へとつなげることが重要です。
主な反響指標
- メディア掲載数
- SNSでのシェア・コメント数
- オウンドメディアでのPV・滞在時間
- 問い合わせ件数
改善のヒント
- 掲載されやすい切り口は何か?
- どんなタイトルがクリックされやすいか?
- 読了率が下がる部分はどこか?
Google AnalyticsやSNSのインサイト分析などを活用し、次回のリリースや投稿に活かしていきましょう。
まとめ:”伝わる”が広報の真価を生む
広報活動の本質は、単に情報を出すことではなく「伝わる情報を設計する」ことにあります。ペルソナに寄り添い、ストーリー性を持たせ、資料を工夫し、成果を測定する——このサイクルを回し続けることで、広報の信頼性と成果は確実に高まります。
あなたの発信が、共感と拡散を生む“伝わる広報”になりますように。
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