1. モノを売るな、ストーリーを売れ
マーケティングやプロモーションといえば、「どうやって商品を売るか?」という発想になりがちです。ですが、今、成果を上げているプロモーションは明らかに違います。
それは、モノではなく“ストーリー”を売っているということ。
例えば、同じコーヒーでも「ただの豆」では響きません。「世界一のバリスタが家族と一緒に育てた豆」と言われたらどうでしょう? たった一文で、背景・想い・価値が一気に伝わり、買う理由が生まれます。
人は感情で動き、共感で選ぶ時代。価格やスペックだけではなく、「その裏にある物語」が購買行動を後押ししているのです。
2. なぜ今「共感」が重要なのか
SNSの普及により、企業や商品に対するユーザーの視点は大きく変化しました。もはや「CMで見たから買う」という時代ではなく、“自分ごと”として感じられるかどうかが購買の分かれ目です。
特に以下のようなトレンドが影響しています:
- Z世代・ミレニアル世代の台頭
→「何を買うか」より「誰から・なぜ買うか」を重視 - 企業の姿勢やストーリーが問われる時代
→「想いのある会社」や「共感できる活動」に価値を感じる - 情報過多の中で埋もれないためには感情が必要
→「わかる」「いい話だ」と感じる体験が記憶に残る
つまり、プロモーションで選ばれるには、相手の心を動かす共感設計=ストーリーテリングが不可欠なのです。
3. 商品や地域に眠るストーリーを掘り起こす
では、ストーリーはどう作ればいいのでしょうか?
答えは、「作る」のではなく、すでにある“背景”を丁寧に拾うことです。
ストーリー構成の基本要素
要素 | 内容例 |
---|---|
主人公 | 社員・創業者・顧客など |
課題 | 開発時の苦労、地域の悩み |
解決 | 行動・改善・挑戦 |
未来 | 今後の展望・ビジョン |
共感点 | 感情・経験・想いの共有 |
たとえば、
- 創業者がなぜこの商品を作ろうと思ったのか
- 地域の課題をどう乗り越えてきたのか
- 顧客がどうその商品で救われたのか
こうした**“背景のドラマ”を見せることで、商品やサービスが記号から物語に変わります**。

4. ストーリーテリングを活かした成功例
● ローカルベンチャー:山形の老舗味噌屋
140年以上続く家業を継いだ若手後継者が、廃業寸前から再生へ。クラウドファンディングで「祖父から受け継いだ味噌と物語」を伝えた結果、全国から支援が殺到し、百貨店からの引き合いも増加。
→ 商品そのものより、「継承と挑戦の物語」が共感を生んだ。
● 地方自治体:移住者プロモーション
ある町では、都会からの移住者の声をマンガやショート動画で発信。「移住してよかったこと」「苦労したこと」をリアルに伝え、共感を呼んだことで、20〜30代からの移住相談が前年比150%に増加。
→ “生の声”と日常のストーリーが、他人事を“自分ごと”に変えた。
● 商品ブランディング:クラフトビールメーカー
原材料にこだわるだけでなく、「地元農家と共に作った背景」や「味に込めた想い」をInstagramやイベントで発信。共感した顧客がSNSで拡散し、全国のクラフト好きの間で話題に。
→ 「味の背景を語ること」がブランドそのものになった。
5. 伝え方と見せ方の工夫
ストーリーを“語る”だけでは足りません。今の時代は**「見せる」工夫**が必要です。以下のような手段を組み合わせましょう:
SNS(X、Instagram、TikTok)
- バトンリレー形式で“人”のストーリーを連載
- スライド型で背景やビジョンを可視化
- 日常の舞台裏を投稿し、共感と親しみを獲得
プレスリリース・オウンドメディア
- 商品や施策の“ストーリー付き”リリース
- インタビュー形式で人物を掘り下げる
- 背景と未来が見えるビジュアルや図解
イベント・動画
- 創業者や社員が語る“リアルな声”を動画化
- 体験会で「ストーリーに触れる場」をつくる
→ ストーリー × 見せ方の工夫が、認知・拡散・信頼へとつながります。
6. まとめ:プロモーションは“共感力”の時代
今の時代において、プロモーションは単なる広告手法ではありません。
商品や地域、企業が持つ“想い”や“背景”をいかに共感できる形で伝えるか。それこそが成果を生むカギです。
ストーリーは人の心を動かし、共感を呼び、購買・支援・行動につながります。
だからこそ――
モノを売るな、ストーリーを売れ。
これが、これからのプロモーション成功の方程式なのです。
MONWORLDではプロモーションのお手伝いもしております。これから新商品を出す、販売したけど売上がよろしくない、デビューしたけどあまり認知が広まらないなどお悩みがありましたらご相談ください。お問い合わせフォームよりいつでもご連絡お待ちしております。