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社内を動かす!巻き込み型広報の成功作法|現場発コンテンツ術完全ガイド版

広報は、一人の“がんばり”では限界があります。なぜなら、現場の一次情報・顧客の声・数字の裏付けは、日々の業務の中に散在しているからです。つまり、部署横断で素材が循環する仕組みを作れなければ、発信は細り、成果も鈍化します。
しかし、社内巻き込みは簡単ではありません。抵抗感、優先順位の違い、承認の渋滞――壁は多層的です。だからこそ、本記事では “人を動かす前に、仕組みで動く” を合言葉に、情報導線・会議体・役割分担・KPIの設計を、一気通貫で解説します。さらに、30日導入プランまで用意し、今日から実装できる状態にします。

最初にはじめることは社内の目線を合わせることです。ゆえに、事業KGIに直結する“広報の役割定義”を1枚で可視化しましょう。

  • KGI(例):新規受注件数/採用応募数/指名検索数
  • KPI(例):メディア掲載数/社内発コンテンツ本数/SNS保存率/資料DL
  • 行動KPI(週次):素材インテーク件数/取材実施数/承認SLA遵守率
    さらに、KGI→KPI→行動の矢印を明記すると、現場は「なぜ今やるのか」を理解できます。つまり、巻き込みは“納得の設計”から始まります。

次に、連携が止まる原因を断ちます。したがって、RACI(Responsible/Accountable/Consulted/Informed)で役割を固定化。

  • R(実行):広報=編集・校正・媒体交渉/各部門=一次情報提供・事例先同意
  • A(最終責任):事業部長=内容の妥当性/広報責任者=ブランド整合
  • C(相談):営業・CS・開発・人事・法務
  • I(共有):経営層・管理部門
    承認SLA(例:初稿48h、法務72h、最終24h)も同時に貼り付けます。結果として、ボトルネックは可視化され、心理的抵抗が減少します。
早見表

とはいえ、担当者が毎回“お願い営業”をするのは非効率です。だからこそ、自動で素材が集まる導線を設計します。

  • インテークフォーム(1分仕様)
    • 入力項目:顧客の声/よくある反論/勝ち負け理由/数字変化/写真添付
    • 送信先:専用Slack/Teamsチャンネル #pr-intake
  • タグ運用(CRM/ヘルプデスク)
    • タグ例:「事例候補」「FAQ化」「比較表」「メディア向けデータ」
  • “バディ制度”:各部の“広報バディ”1名を任命(四半期に1回ローテ)
  • ナレッジ棚:Notion/社内Wikiに“素材バックログ”を自動追記
    こうして、集める→溜める→選ぶの流れが回り始めます。つまり、お願いしなくても素材が届く仕組みを先に作るのです。
社内巻き込みエコシステム図

さらに、仕組みを習慣化します。週1回30分の定例を固定します。
アジェンダ(固定)

  1. 数字:KPI速報(掲載・保存率・DL・発信本数)
  2. 素材:インテーク上位5件を確認
  3. 優先:“今週の1本”を決定(誰に効かせるか・チャネル)
  4. 制作:担当・締切・承認SLAを再確認
  5. 展開:営業配布/社内SNS/コーポレートサイト/プレス候補
  6. 振返:先週の反応と学び
    この“同じ型”を回すだけで、議論は短縮し、実行の歩留まりが上がります。つまり、会議は意思決定と前進のためだけに使います。
編集スプリントの円環

一方で、巻き込みの本丸は自発性の設計です。だからこそ、アンバサダープログラムを導入してみましょう。

  • 選定:各部から“語れる人”を月2名ノミネート
  • 育成:60分ブリーフィング(ストーリーの型/禁止表現/権利)
  • 運用:月1回ライトニングトーク(5分×6名)→要点を広報が編集
  • 動機づけ表彰制度(四半期MVP)+貢献ポイント(福利厚生と交換)
  • 安全網:SNSガイドライン/個人情報の扱い/画像の権利チェック
    結果として、“現場語り”が増え、社内発コンテンツの供給源が生まれます。

さらに、量だけでなく質を担保します。したがって、用途別の型で量産します。

  • 営業に効く:導入事例(課題→解決→数値)/反論Q&A/競合比較表
  • 採用に効く:社員1日密着/カルチャーの誤解打破/新人の“つまずき”共有
  • 信頼に効く:第三者評価(受賞・媒体掲載)/専門家コメント/定点データ
    導入3秒の“解決宣言”+1メッセージ1投稿+CTA1つが鉄則。つまり、短く・具体的・反復です。

ただし、人は数字と承認で動きます。PRダッシュボード称賛の場をセットに。

  • ダッシュボード
    • 週次=質(保存率・完読率・掲載打診数)
    • 月次=量(PV・掲載・DL・事例本数)
    • 四半期=成果(指名検索・応募・商談化・被リンク)
  • 称賛:全社朝会で“今週のストーリー”を1本紹介/Slackで👏リアクション促進
    結果として、参加するほど評価される“正の循環”が生まれます。

なお、複雑なツールは定着の敵です。だからこそ、最小装備で統一します。

  • 保管:クラウドストレージ(最新版のみの“営業スタック”)
  • 整理:命名規則 用途_対象_日付_v(例:比較表_SMB_202509_v3)
  • 共有:社内Wikiに“どこに何があるか”リンク集を常時更新
  • 権利:画像・引用の出典明記と許諾ログを一元化
    結果、探す時間ゼロ/迷子ゼロになり、前進速度が上がります。
  • お願いベースで疲弊導線を先に(フォーム/バディ/タグ)
  • 承認が詰まるRACI+SLA(責任と締切の合意)
  • メディア偏重社内発×営業活用(事例・比較・Q&A)
  • 成果が見えないダッシュボード(週=質/月=量/四半期=成果)
  • 単発で終わる週30分スプリント(固定アジェンダ)
  • Day1–7:KGI/KPIの1枚化、RACI策定、インテークフォーム公開
  • Day8–14:バディ任命、初回編集スプリント開始、事例候補の一次取材
  • Day15–21:社内発コンテンツ2本公開、反論Q&A1本、ダッシュボード初版
  • Day22–30:プレス素案→法務確認→配信、全社朝会で称賛、次月の型を微修正
    つまり、学ぶ→作る→測る→直すを1カ月で一周。だからこそ、習慣になります。

結局、社内巻き込みは“号令”では動きません。むしろ、仕組み・習慣・称賛で自然に回るように設計すべきです。だからこそ、①共通ゴールの可視化、②RACI+承認SLA、③素材導線、④週30分スプリント、⑤可視化と称賛――この5点を同時に敷くことが近道です。さらに、社員アンバサダー制度で自発性を芽吹かせれば、社内発コンテンツが資産化し、結果として、採用・営業・信頼のすべてが底上げされます。つまり、巻き込みは“仕組みのデザイン”です。

  1. KGI/KPIを1枚に:事業ゴールと広報の関係を明記
  2. RACI+SLAを合意:責任と承認期限を見える化
  3. インテーク導線を開通:フォーム+#pr-intake+タグ運用
  4. 週30分スプリント開始:数字→素材→制作→展開→振返
  5. アンバサダー募集:月2名、称賛とポイントで動機づけ

完璧より継続。さらに、仕組みで前進。結果として、社内は自然と“広報の共犯者”になります。

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