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OJTで伸ばす!現場密着型の広報育成術

広報職の育成に悩んでいる企業は少なくありません。特に、新人や異動者が配属された場合、「何から教えるべきかわからない」「感覚的な業務が多く育成しにくい」という声がよく聞かれます。

そもそも広報は、「会社の魅力を言語化する」「社内外の調整を行う」「発信タイミングを見極める」など、属人的なスキルが求められる領域。だからこそ、型のないまま育成を進めると、属人化・育成停滞に陥りやすいですし、陥っている人を多く見てきています。

とはいえ、逆に考えれば、現場で実務を通じて育てていく「OJT」が最も相性のよい手法でもあります。この記事では、広報育成におけるOJT設計のコツと成功事例を紹介します。

まず、OJTとは「On the Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略で、現場で実務を通じてスキルを学ぶ手法です。ただし、属人的な指導や“見て覚えて”では、育成効果は薄くなります。

OJT設計のポイント

  1. 目的を明確にする
     例:3ヶ月で社内報のライティングを独力で担当できるようにする
  2. 業務プロセスを可視化する
     広報業務を「取材→構成案→原稿作成→校正→発信→分析」に細分化し、それぞれで達成すべきレベルを明示します。
  3. メンター・トレーナーを配置する
     “なんでも聞いていい人”を決めておくことで、不安を減らし、定着率を高めます。
  4. フィードバック機会を確保する
     最低週1回のレビュータイムを設定し、方向性のズレを修正します。

補足:OJTとは現場実務を通じた人材育成手法のこと。上司や先輩が伴走する点が特徴

広報OJT設計の流れ

OJTの成果を高めるためには、「習慣化」が必要です。以下のようなフォーマットを用意し、日々の実務を“振り返りの場”に変えることが重要です。

日報フォーマット例

  • 今日の実施業務
  • 学んだこと/気づいたこと
  • わからなかった点/質問
  • 次にやること

発信レビューの観点

  • 誰に向けて書いたのか?(ターゲット明示)
  • 何を伝えたかったのか?(目的の明確化)
  • 構成・見出し・画像の工夫点
  • KPIとの関連(例:CTR、滞在時間)

補足:**KPI(Key Performance Indicator)**とは、目標達成度を測るための主要な指標です。広報ではPV数やSNSのエンゲージメントなどが該当します。

振り返りを型にすることで、感覚ではなく「再現性ある学び」を促進できます。

あるIT企業では、OJT制度に「育成トレーナー制度」を導入し、効果を高めています。

事例:B社のトレーナー制度

  • 育成対象者1人に対して、広報歴3年以上のメンバーを1名アサイン
  • トレーナーは「週1レビュー」「月1フィードバック面談」を実施
  • フォローの視点は「業務力」「発信力」「対応力」の3軸で統一

結果的に、半年後には広報新人がSNS運用とnote記事執筆を独力で担当できるようになり、社内の“広報属人化”問題が緩和されたといいます。

トレーナー側のメリットも

  • 自身の業務を言語化する機会になる
  • 若手の視点に触れることで広報感度が上がる
  • 部署全体で育てる文化が定着する
OJTトレーナー制度

広報は、「実践を通じて育てる」ことが最も効果的です。OJTを仕組みとして設計することで、属人化を防ぎ、再現性のある育成が可能になります。

実際に、日報・レビュー・振り返りといった小さなサイクルを回すだけでも、広報力は着実に育ちます。さらに、育成する文化が浸透すれば、新しいメンバーの戦力化スピードも格段に上がるでしょう。

今、もし「育てられる広報担当がいない」と感じているなら、それはOJTの再設計が必要なサインかもしれません。

MONWORLDは、採用広報・企業広報の戦略設計だけでなく、広報担当者の育成支援にも力を入れています。

  • OJT設計のアドバイス・制度構築
  • トレーナー制度の導入支援
  • レビュー制度や振り返りフォーマットの提供
  • 外部パートナーとしての壁打ちや講義の実施

「育てられる広報担当がいない」ではなく、
「育つ仕組みを整える」から始めませんか?

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