採用“広報”なのに人事が担っている?
多くの企業で、採用活動といえば人事部の仕事というイメージが定着しています。ところが、最近では「採用広報」という新たな取り組みが注目を集めており、その担当を広報部やマーケティング部が担うケースも増えています。
しかし現実には、「人事が広報的な発信もやっている」「そもそも採用広報って何?」といった混乱も見られます。実際、採用広報の役割を正しく理解しないまま、人事が“何となく”SNSや採用ページを運用している企業も少なくありません。
では、採用広報と人事は、どのように役割を分担し、連携するべきなのでしょうか?この記事では、その違いとベストバランスについて解説します。
採用広報と人事の基本的な役割の違い
広報=魅力を伝える/人事=選考・制度設計
まず、採用広報と人事の役割を明確に分けて考えることが重要です。
項目 | 採用広報 | 人事 |
---|---|---|
目的 | 認知拡大、ファン育成 | 採用決定、制度設計 |
主な活動 | SNS運用、記事作成、動画・イベント企画 | 面接対応、評価設計、内定通知 |
ターゲット | 潜在層・準顕在層 | 応募者・内定者・社員 |
KPI | PV数、フォロワー数、ブランド想起率 | エントリー数、内定承諾率、定着率 |
採用広報は企業の「世界観」や「働く魅力」を伝えることで、“未来の仲間候補”に好印象を持ってもらう役割を担います。一方、人事は選考対応や制度設計、社員フォローといった“仕組み”を構築・運用するプロフェッショナルです。
補足:採用広報とは、採用目的で行う企業のブランディング活動。広告とは異なり、信頼感を醸成する中長期的な発信が軸です。

連携して成果を出すチームづくり
実は、採用成功のカギは「広報と人事の連携」にあります。
たとえば広報がSNSで応募者を増やしても、面接対応がうまくいかなければ離脱に繋がります。逆に、面接対応が良くても、そもそも応募が少なければ採用数は伸びません。
では、どうすればうまく連携できるのでしょうか?以下の3つのポイントが参考になります。
1. 定期的な情報共有を習慣化する
週1回の「採用MTG」などを設け、広報・人事間でコンテンツ案や選考データを共有します。応募数が少ないタイミングには広報がリーチを強化し、人事はターゲットの明確化を図るなど、PDCAが回しやすくなります。
2. ターゲット像をすり合わせる
理想の人材像(ペルソナ)を人事と広報で共通理解しておくことも不可欠です。これにより、採用ページの内容やSNSのトーンも一致し、より響く発信が可能になります。
補足:ペルソナとは、理想的な求職者像を具体化した人物モデルのこと。年齢・価値観・志向などを細かく設定します。
3. 採用後のストーリーを発信に活かす
採用後の社員インタビューを広報がコンテンツに展開し、人事はその定着率や成果をKPIに加えることで、“活きた採用広報”になります。
成功企業のチーム分担事例
以下は、実際に採用広報と人事が分業・連携して成功している企業の例です。
事例1:ITベンチャーA社
- 広報:TikTokやXを運用し、カルチャーや制度の発信
- 人事:応募者対応とフィードバック分析
- 成果:採用サイトのPV3倍、Wantedly応募数1.5倍
事例2:地域密着型企業B社
- 広報:社員インタビューをnoteで連載
- 人事:地方学生向けイベントやUターン支援制度の設計
- 成果:地方からの応募比率が60%→85%に上昇

両輪で“選ばれる会社”を目指す
結論として、採用広報と人事は「片方が担えばいい」というものではなく、両輪で走るからこそ成果が生まれる活動です。
特に、これからの時代は“選ばれる会社”になることが採用成功のカギ。そのためには、自社の魅力を発信し、共感を得る力(広報)と、候補者をしっかり受け止める体制(人事)の両方が必要不可欠です。
採用広報と人事がそれぞれの役割を理解し、連携しながら同じゴールを目指す。それが、持続可能な採用活動の第一歩です。
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